No.003
 
。。。本のご紹介
 
 

 私の大学時代の友人・込山正徳さんが、最近本を出版した。 「パパの涙で子は育つ」(ポプラ社)である。 元々、ポプラ社のHPで連載していたものなのだが、好評ゆえ先月単行本として出版されたということである。

 タイ人の奥様とご結婚されたと言う話は、友人を通して聞いてはいたのだが、 その奥様が、慣れない日本という異国から子供2人を置いて故国に帰るというところから、 エッセイは始まる。お父さんの子育て奮闘記である。

 まず、何といってもお子様に対する「愛」に溢れ返った筆者の気持ちが清々しい。 ビシビシと「愛」が伝わってくる。 こんなに「愛」を受けて育った子供たちは、きっと親に対しても愛情を抱き続けることになるのだろうなと思ってしまう。

 また、大笑いしてしまうエピソードも一杯で、ドンドンとページを繰るのが早くなっていく。ホント、面白い、です。しかも、泣けます。

 そして、男親がひとりで子供を育てていくということのリアルな現実と、 日本の現状の法制度の不備などについての言及などには、実際、驚くことも多かった。

 前向きに生きる人生の楽しさと、全く知らなかった情報と、人を育てていくということの大変さと重要さ、もう、いろいろなことがギッシリ詰まっていて珠玉のエッセイである、と思う。

 お薦めです。是非、ご一読ください。


クサカワ ハジメ


●著者プロフィール

込山正徳(こみやままさのり)

1962年横浜生まれ。日大芸術学部映画学科卒業後、アジア貧乏旅行を経てフリーのディレクターに。90年頃から主にドキュメンタリー番組を手がける。『春想い、初めての出稼ぎ』(フジテレビ)でギャラクシー選奨受賞。『生きてます16歳、500gで生まれた全盲の少女』(フジテレビ)でATP総務大臣賞受賞。『われら百姓家族』(フジテレビ)はシリーズ化され話題になる。「天国で逢おう 〜末期がんウインドサーファーの家族、その愛〜」(フジテレビ)ほか多数の番組演出に携わる。2003年2月、11年間連れ添ったタイ人の妻が子ども2人を置いてタイに帰国。子育て中心のシングルファーザーの生活を余儀なくされる。2003年12月正式離婚。現在、自由気ままに取材へ出られなくなってしまったウップンを文章を書き始める。その後必死の嫁探しを遂行し再婚にこぎつける。現在は、3人の子供の父親として、仕事と家庭の両立に(一応?)努力している。

ポプラ社 HP
http://www.poplarbeech.com/bokupapa/bokupapa.html