No.010

 
うたのひびき 〜CD−ROM付 日本の唱歌15選〜
 
     
 
 いやあ、実に波乱万丈な経緯を辿った企画でした。
 既に発売されているどの本の企画よりも、早い段階から進めていた案件でしたが、
これが、一筋縄ではいかなかった。
 
 昨今の出版事情の厳しさに加え、版元の合併・精算などのあおりを受け、沈没寸前だったこの企画を、桃園書房が救ってくれたのが3月末。それから早急にプロジェクトを発信させ、何とか日の目を見ることが出来ました。関係者の皆々様、本当に有難うございました。
 
 そんな皆の思いがギュと凝縮された分、何だか、とっても温かな本に仕上がりました。シンプルだけど中身はグッと濃いです。それは、唱歌という素材自体が持つパワーに他ならないのですが、その魅力に導かれるように、デザインもイラストも、そして、選定された唱歌を語る解説も、実に楽しげに、ノリまくってます。
 独自の世界観を繰り広げ、一種のアート本のような体裁になりました。

 また、今回は、選定した15の唱歌の歌唱CD付! NHKの「おかあさんといっしょ」の元・ハイ・ポーズのおねえさん、馮智英さんの朗々とした歌いぶりは見事です。

 唱歌の歌詞を、一旦全部、ひらがなにして、それを漢字に書き直していくという、能力開発本の一種ではありますが、途中、CDを聞きながら思いを馳せるというプロセスが、他のお勉強本にはない特徴かな。その歌に込められた、思いや光景を想像することで、自分の体験ともシンクロさせていく効果もある訳です。

 表紙には、もう何十年もお世話になっている、萩原朔美さんの言葉も戴きました。この言葉が、また、この企画の本質をズバリと突いていて、さすがだなと、感嘆致しました。

 ご両親、あるいは、お子様と一緒に、楽しんでいただける本だと思います。

 よき日本の文化は、絶やさず伝承していきたいものです!

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クサカワ ハジメ